大地震の悲劇を繰り返さない・・・ 職人会の使命
こんにちは、代表の小林です。
"耐震補強"ってどのように感じますか?
なんだか怪しい雰囲気がしませんか?
耐震という言葉のもつ響きが、どうもよくないのではないでしょうか。
そんなことを思うようになったのは、あのアネハ事件からでしょうか?
いやいや以前からかなりの数の所謂、悪徳工事があったのを知っていますよね。
今でもどこかで、その被害にあっている方がいるかもしれません。
"耐震"そして"リフォーム"と言葉を並べると、不信感がぬぐえないのは、あなただけではありませんよ。これは、ひとえに建築業界が長年にわたって積み上げてきた負の遺産とでもいうべきものなのです。私がこの業界に入った頃、住宅の悪徳訪問販売がまさに隆盛を極めていました。20数年前のことです。
建築業界は良くなったか?
職人としてこの業界に入った当初、とあるお客様の一言が忘れられません。「キレイになった!ありがとう!何年くらい仕事してるの?」きっと自宅がリフォームで見る見るうちに変っていく様に、思わずうれしくなったんでしょう。
私がこの仕事を今も続けているのは、このときの一言が大きな理由です。私の仕事を喜んでくれるのを実感した最初でした。私のほうが、お礼を言いたい衝動を覚えたのは昨日のことのようです。
しかし実は、その仕事は訪問販売の下請け仕事だったのです。(そのことについては、会社紹介で詳しく書いてますので、ここでは省きます。)
建築業界はその当時から、少しはよくなったのか?
答えは、なかなか見つかりません。はっきりよくなったと言い切れないのです。
私の知る限り、極端な悪徳訪問販売は陰を消したような気がします。
しかし、表面から消えただけで、実は根はもっと深いのです。
話をちょっと変えますが、まじめな工務店や大工さん、リフォーム会社も昨今はけっこういらっしゃいますね。そうです。日本はまだまだ捨てたものではなく、まじめに働いている職人さんはたくさんいます。あなたの町にも、絶対にいるはずです。
あなたが、今この文章を読んでいるのはきっとリフォームを思いついたからなのでしょう。
きっと、あなたにあったすばらしい工務店かリフォーム業者が見つかるはずです。
そして、あなたはその業者に「頼んでよかった!」と思うはずです。
そして、その後の生活に満足し暮らしていきます。
なんてすばらしいことでしょう!
住まいをリフォームしていくことはとてもよいことです。
しかし、実はだからこそ、危ない!ということを言わなければなりません。
私のこの憂鬱が現実のものにならないことをいつも願っています。
あなたの気に入ったその業者は、ただ一つの不安があることを除いて、すべてパーフェクトにあなたの家のリフォームをすることでしょう。
えっ、なぜ?どういうこと?と思いますよね。
そう、当然です。
それでは、私の"憂鬱"をお話します。
木造住宅の耐震構造をちゃん判断できる専門家はそう多くない
文章が長くなりました。
回りくどいと思う人は、読むのをやめてもけっこうです。なぜなら、ここから先はもっと回りくどい、ちょっと難しい話をしなければならないからです。ついて来れない人もいるかもしれません。しかし、私はどうしても言わなければならないのです。
ごめんなさい。話を続けますね。
いきなりですが、耐震とは構造の分野です。
わかりますか?
建築士には、
デザインを得意とする建築士→意匠屋と、
構造を得意とする建築士→構造屋としておきましょう。
大きくこの二つに分かれています。
構造屋の有名人が、"アネハ"さんです。悪いことで有名になりました。
一方、意匠屋の人たちは、実は構造のことはちょっと苦手な人が多いのです。
同じ一級建築士でも構造と意匠では、分野が違うのです。
世の中に圧倒的に多いのは、意匠屋です。構造屋といわれる建築士のほうが数はすごく少ないのです。簡単に言うと、町の建築士事務所は殆どが意匠屋(デザイン系ともいいます)です。もちろん、意匠屋でも構造のことがわかっている人も当然います。でも、ものすごく少ないです。
そして、構造屋の主な仕事は、コンクリート建築の構造計算です。
たまに木造3階建の構造計算も依頼されますが、殆どはコンクリートか鉄骨の建物です。
構造屋は殆どが一級建築士です。
ここで、一級建築士と二級建築士の違いをお話します。
小難しいことを言うつもりは一切ありません。
それでなくても、今、難しい話の真っ最中なのですから。
簡単に言うと、扱う建物の大きさで一級と二級に分かれます。そうです。例えば超高層のビルなんかは一級建築士だけができる仕事です。木造住宅は、もちろん一級建築士でも当然致しますが、二級建築士が主に受け持ちます。あなたの住まいが木造2階建てだとしたら、二級建築士で十分です。構造屋にとって、木造2階建の建物は、仕事として構造計算の対象にはなっていませんから、言ってみれば専門外とも言えるものです。なぜなら、建築基準法上、構造計算の必要がないからです。
ということは、低層の建物はあまり構造上の規定は、うるさく言われていないということ。法的に見逃しているということだと私は思っています。
文章が解りづらくてすみません。
解りやすく言いますと、
- 木造2階建ての建物は、構造計算が義務づけされていないので、意匠屋の建築士で十分です。
- 構造屋は、普段コンクリート、鉄骨の建物を扱っています。
- 低層の木造(1階・2階建て)は、構造屋にとっても普段あまりやらないことであります。
以上のことから、日本の住宅の中で一番多い、木造の2階建て住宅は耐震構造をちゃん判断できる専門家が、そう多く存在していないということです。
構造のプロが耐震基準を推し進めなければなりません
以前NHKの特集でそれはもうひどい被害を放映していました。耐震補強と称して、ただの鉄骨を×に外壁に張りつけているだけで、1,000万円の工事費というものでした。見た人もいらっしゃるかもしれませんが、私はそのばかばかしさに口がポカンとしていましたが、同時に、同じ建築業界の者として、顔が真っ赤になってきました。
こんなことが許されてしまうのか!
しかし、現実です。
こんなにひどくなくても、近所の感じの良い工務店さんも、リフォーム屋さんも構造のことを知らなすぎるのが現状なのです。木造住宅の耐震診断の整備ができたのも実は最近のことなのです。法律がやっと整備されつつありますが、現場にまではまだ浸透しきれていないのが現実です。
私の憂鬱が理解できたでしょうか。
要するに、すばらしいリフォームも、本当に構造のことまでも反映した内容になっていれば、それは真にすばらしい設計といえます。ただ表面上のいわゆるお化粧だけのリフォームがあまりにも多くなされているのです。そして、素人の皆さんだけではなく、プロの業者にしても構造のことが解っていないのがあまりにも多い現実。
サイレントキラーとは、糖尿病などの生活習慣病のことを言うらしいですね。私は、知らずに行うリフォーム工事に、不吉なこの病名を思い起こします。
ある日突然の大地震。あの阪神淡路の被害が、また繰り返されるのか。あの震災の教訓を元に、改正され整備された木造の耐震基準を、プロである業者が先ずもって推し進めていかなければいけないはずなのに・・・
サイレントキラーは今もどこかの善良な工務店、リフォーム会社が行っています。お客様は笑顔で満足されているのです。むしろ、悪徳訪問販売のほうがまだ、わかりやすくていいのかもしれないと思うことは、あまりにも、刹那的でしょうか。
このように終わる文章をはじめは、考えていませんでした。しかし、この問題は個人の力ではどうすることもできないのが現実でしょうし・・・
私はこれからも、ほんの微力でもいいから、木造住宅の耐震性アップのために、啓蒙活動を続けていく覚悟です。もし、お時間があったり、都合が合えば、耐震補強の説明会等を開催していますのでお越しになってみてください。
長ったらしい文章になって申し訳ございません。


